表題にやや偽りあり。正しくは『「所得税還付」入門』。
サラリーマンが一度収めた所得税を、確定申告をしてめた額と同じ額だけ還付させることで相殺させ、結果的に税金を「ゼロ」にするテクニックが紹介されています。
決して「最初から税金を一円も払わないで済むテクニック」が書かれているわけではないのでご注意を(>それは脱税)。
簡単に紹介すると、赤字でもいいから副業を始めて、その副業の際に発生した費用を「経費計上」して、「収入-経費=所得」の額をゼロにしましょう、という方法(所得がゼロなので、結果的に所得税もゼロ)。
その際のポイントは、副業を「雑所得」で扱うのではなく、「事業所得」として扱うこと。
なぜなら「雑所得」だと「給与所得」と損益を合算できないが、「事業所得」だと「給与所得」と損益が合算できる「総合課税」で扱えるから。
「事業所得」にするためには、最寄の税務署に事前に「開業届」を提出すること。
その他細かい手順は本書に譲りますが、サラリーマンの節税方法として、「会社を辞めて独立して”サラリーマン法人”となり、「雇用」から「業務委託」に切り替える」という方法を提唱するケースがありますが(橘玲氏とか野口ゆきお氏とか)、それらの方法より、本書の方が、立場は「サラリーマン兼個人事業主」であり、会社を辞める必要がない分、リスクは低く、手間もかからないと思われます。
ですが、その分当然リターンも低いです。
著者は「37年で900万円の節税が出来た!」とうたっていますが、
900万円÷ 37年=24万円/年
24万円÷12ヶ月= 2万円/月
です。
「月2万円の節税」が、リターンとして満足出来るか出来ないかはあなたの考え方次第。
就業規則の”職務専念義務規程”に抵触するリスクを取ったり、住宅ローンを借りるとき、「納税証明書」の納税額がゼロ円で住宅ローンが借りられないかも?というリスクを取ってでも(一応「所得」はあるから大丈夫だと思うけどね)、「月額2万円の還付金が欲しい!」というグリード(貪欲)でチャレンジャーな人は試してみる価値はある、かと。
ボクはそーゆーリスクはちょっと取れないので、星3つ。★★★☆☆