先日3月11日に、東京・八重洲ブックセンターにて、アスキー新書1周年記念の中島聡さんと海部美和さんによるトーク&サイン会が行われまして、実はそれに自分も参加してきました。
時間に余裕ができたらトークイベントのレポートを書こうかと思っていたのですが、そうこうしているうちに、Youtube の『月刊アスキー』チャンネルでトークイベントの内容が動画ですでにアップされていました(>先を越された・・・orz)。
なかなか興味深い内容なので時間があればぜひ見てみることをオススメします。
続きは Youtube の『月刊アスキー』チャンネルからどうぞ。
また、せっかくなので、トークイベントを聞いて自分の手帳にメモした内容もここに残しておきます。同じ講演会に参加されていて、「言っていたことと違うぞ」と気が付いた方がいればコメントなどでご指摘いただけると恐縮です。
■本日のテーマ:「パラダイス鎖国」と「おもてなし」
現在の日本の経済の停滞感や、アメリカ在住の著者の視点から見た日本のことについてなど。
■Q.本書で読んでもらいたいポイントは?
【海部】日本と外国との係わりの変遷のような点を書き記したつもり。
【中島】ギーグ(突出した技術を持つエンジニア)にもビジネスを学んでもらいたいという想いで書いた。
■【中島】「それは普通じゃない」という言葉は”プチ変人”に対しては暴力に値する。
【海部】プチ変人を受け入れ、受け止める環境が「厳しいぬるま湯」という状態。それがシリコンバレーにはある。
■【中島】知的集約産業において圧倒的な”価値”を生み出すのはエンジニアであり、アメリカのシアトルやシリコンバレーではエンジニアは”神”として崇められている。日本のIT業界はゼネコン業界と同じで、アメリカのIT産業とは真逆の構造。人月単位の考えで仕事をしていたら、人件費の安い中国やインドに仕事を奪われるのは必至。
■【中島】プログラマ・エンジニアが日々決めていること(プログラムのコード書きも含む)は、会社のビジネス(経営、利益)に直結していることを常に意識して欲しい。
■【海部】理系でエンジニアリングを学んだ後、文系で経営(MBAなど)を学んだ方が潰しが利く(笑)。逆のキャリア(文系→理系)はなかなか難しい。自分はエンジニアリングを学んでこなかったのが心残りであり、そういうキャリアを積んできた人がうらやましい。
■【海部】”会社”はあくまでビジネスパースンにとっての”乗り物”でしかない。気に入らなかったり肌が合わなかったら乗り物を乗り換えるのも一つの手段。
■Q.アメリカに渡らず、敢えて日本に残ってこれからキャリアを積んでいこうとしているエンジニア、ビジネスパースンはどうすればよいか?
【海部】今のグーグルは、80年~90年代のホンダと似ている気がする。戦後の混沌とした時代だったからこそ、本田総一郎のような突出した「変人」が台頭した土壌があったわけだから、日本だからと言って「イノベーション」が起こらないというわけでは決してないと思う。
【中島】議論が分かれること(Youtubeのような既存社会から見たらグレーゾーンのような分野)に取り組むべき。議論が分かれることに一歩も進み出ないと閉塞感が強くなってしまう。議論が分かれることに安心して取り組めるように(法的、資金的に)サポートする「ぬるま湯」の環境を整えていくことも大事。
【中島】終身雇用が崩壊し混沌とした時代を生き残るには、「会社での肩書き」ではなく「人との繋がり」や「他人からの信頼」が財産になる。自分の上司が他社に転職や独立した時に「お前も一緒に着いて来ないか?」と誘われるような繋がりや信頼を日ごろから持てることが大事。いざとなったら「この上司となら一緒に着いて行っても良い」と思えるような人と出会えるか、を意識しておくこと。
■Q.これから身に着けていくべきビジネススキルは?
【海部&中島】人によって得手不得手があるので一概に「これ」とは言えないが、全てのベースになるのが世界の共通言語である「英語」。転職などでも選択肢が増えるので身に着けておいて損はない。
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