『自分をデフレ化しない方法』 読了。
3月4日のサイン会に向けて、一応先に読んでおこうと思い、先程読了。
第一章と第二章はいつもの「自己啓発系」、「ライフハック系」なので省略。
第三章は「デフレとはなんぞや?」という説明、第四章は「デフレを解消する方法」について記述。
特に第四章では、最近議論されている「リフレ推進論」について具体的に説明されています。大雑把に言うとこんな感じ。
- 国債を30兆円発行しろ
- 日銀は30兆円分の紙幣を発行しろ
- 日銀はその紙幣で国債を買い取れ(今の日銀法では日銀が国債を買取る事は禁止されている)
- 買い取ってもらって得た紙幣を国(政府)は市場にばら蒔け
- そうすりゃ簡単にデフレは克服出来る
と、経済学の素人である私からすると随分と乱暴な方法だなぁ、などと思えてしまいます。
事実、この議論、特に1から3の部分については、その方策と実行性および効果については今でも喧々諤々と是非が議論されており、「リフレ反対派」という方も多数いらっしゃいます。
(>池田信夫先生とかね)
でまー、「そもそもリフレって何よ?」ってことを勉強するためにこの本を読んでみたんですが、結局勝間和代女史が言いたかったことは、第三章や第四章に書かれていることではなく、本来の本質的に言いたかったことは第五章の
「国家予算を適切に再分配せよ」
ということだったのがこの本を読んでみてわかりました。
「リフレ推進」はそれを実行するための原資を確保するためのひとつの手段であり、本質的な議論の題材ではないことがわかります。
個人的な意見を言わせてもらうと、「デフレ解消論」に賛成ですが、私はまだ「リフレ推進論」には懐疑的です。
「リフレやインフレターゲットを行っても適切なインフレ抑止策を講じれば極端なインフレにはならない」というのがリフレ推進派の見解ですが、そこがどうも信用出来ません。
日銀や政府のことをあれだけバカだアホだと非難していたのに、そいつらに「適切なインフレ抑止策」を講じる能力があるとは到底思えません。
結局また「バラマキ」だけで終わってしまい、デフレ解消にはならないような気がします。そこまで「お上」は賢いとは思えん。
なので「経済のことは良くわからないから・・・」という人は第五章だけでも読んでみることをオススメします。
あと、「適切な再分配」についても、「どの分野」に「どのくらい」分配するのか?という問題と、実際に分配しようとしたときに、既得権益側からの反発/抵抗、それと「新しい既得権益」側からの圧力が想定されるので、それらを振り払ってどれだけ当初の理念を貫き通し実行出来るか、という「実行力」、「決断力」が政治家および官僚には求める必要があります。
でも結局それを選ぶ手段は「選挙」だし、選んでいるのは「国民」ですからね。
最終的には、国民ひとりひとりが、自分の私利私欲のために行動するのではなく、日本の将来を憂い、天下国家のために多少の犠牲は覚悟して「希望と感謝に満ちた社会」を作り上げていくか、ということなのでしょう。
なんかまとまりのない文章になってしまい、スマン。